だらっと和田パン

話が跳んだり跳ねたり行ったり来たり。映画とか、システマとか、漫画とか。ネタバレあります。

累(かさね)

「累」観ました!!

漫画読んでないので、全くネタ知らない状態で行きました。

土屋太鳳さんは、システマの呼吸法を寝る前にやってるらしく、システマーなら誰もが注目している存在。

「累」って僕は映画化されてからはじめて知ったんですけど、結構有名な漫画なんですかね??

映画終わった瞬間に「漫画の方が面白かったよ。」とかほざいてる奴がいて、誰もお前の意見なんて聞いてないんだよ!と強く思いました。映画の感想は映画館出てからにしてください。お願いします。笑

まあ、他の人の感想を聞かないために僕はエンドクレジット終わり次第、速攻でイヤホンつけて音楽流すんですけど、今回は間に合わず。やっぱり日曜の昼になんて映画館行くもんじゃあないなぁと思いました。

まあ正直そんなしょうもない感想は原作ファンならどうしても言ってしまいそうなもので、気持ちはわからんでもないし、だからあんまり漫画の映画化は観に行かれない派です。でもそうしないとお金出ないみたいで、頑張れって思ってます。

ダークナイト」くらいの作品に期待です。

「累」。顔が不細工(多分設定では)な上にジョーカーっぽい傷があって、化物扱いされるている演劇が得意な子と、美人だけど演技が下手な女優が、ある口紅を塗ってキスをすると顔が入れ替る話。

土屋太鳳さんも芳根京子さんも難しい一人二役をとても上手に演じていて、すごいなと思いました。特に土屋太鳳さんの舞台の上で踊るシーンや最後のシーンの迫力はとても引き込まれました。

ところどころSっぽいところや、芳根京子さんとのキスシーンもとても良かったです。 関ジャニの子とのキスシーンとかいらないから、もっと二人でイチャついてるとこ見たかったなぁとおじさんは思いました丸

化物扱いされていた方の子が、美人の顔を手に入れることで自信を持っていき、劣等感からの優越感への変化、そして愛憎の変化が観てて、とても面白かったです。最後の戦いまでのテンポが上がっていく感じなんて凄く見応えがありました。

こういう力の関係性とか善悪の関係性の逆転っていうのは僕はめちゃめちゃ好きなんですよね。

1番分かりやすいシーンだと、拷問のシーン。「カジノロワイヤル」もしくは「ダークナイト」が1番イメージしやすいかと思います。

拷問っていう絶対的な力関係が生まれるはずのものの中で、少しずつ力関係が逆転していく。

なんで好きなのかはわからないけどめちゃめちゃいい。

単純な数字で測れるような領域からの逸脱とか、超越者的なものへの憧れみたいなのがあるんですかねぇ。

ダークナイトジョーカーなんて完全に人間としては撮ってないんで、そういう部分はあるかもしれませんね。単純にジョーカーが好きっていうのもあるけど。もちろんヒースレジャーのジョーカー。来年公開の「ザ・ジョーカー」はどうなるかなぁと不安と期待が入り混じる。ってか全然日本に情報入ってきてないけど大丈夫か。公開。

あー。ちなみに「累」でもジョーカーが1人います。意識して書いてるかは分からないけども。こいつジョーカーじゃね?ってのがいます。ジョーカーの裏設定というか、ジョーカーのモデルが分からないと分からないかもしれない。これはまた別で話しましょう。

そういえばアメコミは原作ファンってのはあんまりいないんですかね。ダークナイトとかみたいに原作とはあんまり関係ない部分まで飛ばしていくっていうのは、全然あり??

なんか漫画の映画化って原作ファンにどうしても気を使うし、でも漫画で表現できない部分を逆に描いたりもできるし。設定壊したくなるところもあるだろうし。

芸術は忖度とか妥協とかするとつまんなくなったりするから、好きにしてもいいっちゃいいと思うけど。まあ難しいところですな。

日本は人口も少ない上にあんまりみんな映画観ないし。韓国人くらいみんなが映画観れば、いい映画もできるし、映画館も安くなるだろうし、win-winだと思うけど。難しいだろうなぁ。

「累」のもう一つの見どころは愛憎劇ですね。土屋太鳳さんと芳根京子さんの。劇中の名前忘れちゃった。1人はもちろん累だから覚えてるんだけども。

秘密の共有があるからなのか、お互いにいがみ合っているけど、どこか深いところで繋がってく感じ。一種の恋であり、愛であり。同性の愛って難しいなと。これは「ブロークバック・マウンテン」観たりしても思ってたんだけど。男同士なら殴り合ったり、酒飲んで踊ったりもできるけど。女性同士だとどうなるんだろう。「キャロル」は抑圧されすぎてるし、「オーシャンズ8」は大人すぎるし。語り合うだけで十分っていうところもあるらしいけど。そういう意味では「君の名前で僕を呼んで」は抑圧なくて、とても清々しい。

ブロークバック・マウンテン」は完全に恋人までいってるからこその難しさだし、今回のはお互いに愛を認めないからこその難しさ。

もちろん「ブロークバック・マウンテン」も「累」もそれ以外の要素がしっかりしてるからこその傑作なわけなんだけどね。

僕は結構L推しなので、しょうもない男出すくらいなら、女性同士のやってくれたらって思う派です。でも日本の芸能人でLGBT(最近はQがつくらしい)ですって公言してる人もいないいし。なんか遅れてるなぁって思ったりもする。

なんか「累」のおかげで吐き出したかったところ結構出せてよかった。「ブロークバック・マウンテン」はもっと話したい部分があるから、多分もう一回書くけど。

「累」。システマーなら観るべき一作かと。笑

おススメです。