ボヘミアン・ラプソディー試写
ボヘミアン・ラプソディを試写会にて、一足お先に観させていただきました。
圧巻です。
この時期(11月くらいから)に出たってことは、当然アカデミー狙ってるとは思いますが、獲るんじゃあないかなと思いました。
他の観てないから本当は比較のしようもなんもないんですけどね。
でもそれくらいの衝撃はあります。
最後の21分は涙なしには見られません。
ミュージカルみたいな感じで、華やかなフレディの一生を歌って踊ってとなるかな、とはまあ思ってなかったんですけど。とりあえずクイーンの楽曲を並べていく感じでもなく、どちらかというと静かなシーンが目立つ映画でした。
観客の視点とフレディの視点を重ねる場面が多く、感情移入しやすいようにできてたと思います。
ここで、フレディについて軽くおさらいすると、フレディはイギリスに住む、東アフリカ生まれのインドからの移民。で、そもそもの名前はフレディ・マーキュリーではないです。そしてゾロアスター教。でゲイで、エイズにかかります。ちなみに出っ歯ですね。
超弩級のマイノリティ
ちなみにフレディを演じてる俳優さん。ラミ・マレクさんはギリシアの地も引くエジプト系アメリカ人。
ここら辺をおさえておくだけで、なんとなく“なぜ”、“今”、クイーンなのかが分かる気がしますね。
日本でも生産性云々言ってる人いましたが、おんなじことフレディに言えんのかって感じですね。
ステージの上での華やかな衣装や、激しい動きからは想像できないほどに孤独なフレディ。
“レイ”でもそうだったけど、大スターほど心の奥底に孤独な少年を抱えている。
あまりにも強い光に当たり続けるが故に、あまりにも濃い闇に包まれる。
一見矛盾しているようで、表裏一体。
光と影。
現実と虚構。
あまりに脆い心に悩み続け、フレディは1人孤独を抱え続ける。華やかなステージライトに彩られながら。
それでもフレディは “I am the champion” “I will rock you” とは歌わない。
打ち明けられない弱さを心に抱えるから、彼の歌は人々に届き続ける。
最も弱い彼自身を歌うから、フレディの歌は弱い人々にこそ響く。
クイーンは古いバンドなんかじゃあない。
今現在に生きる人々にこそ届く歌
見逃していい場面は一つもなく、聞き逃していい曲は一曲もない。
クイーンにかつてハマった人も、大好きな人も、全く知らない人も、全ての人が楽しみ、感動できる映画です。
ぜひ劇場でご覧ください。