だらっと和田パン

話が跳んだり跳ねたり行ったり来たり。映画とか、システマとか、漫画とか。ネタバレあります。

女王陛下のお気に入り


女王陛下のお気に入り
面白かったです。町山さんの言葉を借りれば、苦笑いコメディ。
なかなかゲラゲラは笑いにくい内容だったりしますが、ついクスッと笑ってしまうような作品でした。

 

女王を中心に、権力を持っているのは女性。もちろん軍人などは男性ですが、女性が媚びるようなシーンはなく、むしろ男性は頭が悪い、もしくは子供らしさが全面的に押し出されており、それを女性が利用して、ないがしろにして、バッサバッサと言葉や態度で切り裂いていく様は見ていて痛快でした。エマ・ストーンの初夜のシーンとか、男の僕が笑っていいんだか、悲しいんだか、わけわかんなくなりそうでした。女性の皆さんは爆笑してください。

 

英国版大奥と、色々なところで言われていますが、まさにそのまんま。レイチェル・ワイズエマ・ストーンの二人の対決は見ていてハラハラドキドキさせられっぱなし。

 

主演の女王役、オリバー・ストーンはトランプをモチーフにしたと本人が言ってるように、わがまま放題のやりたい放題。政治のことは一切わからず、女王にされてしまって自分の意見はもっていないし、力の使い方も全く分かっていないので、自分のコンプレックスに触れるものを権力でなぎ倒すことしかできない。

 

そんな権力者をいかに利用するかという争いの中で、巻き添えを食らうのは描かれない
戦争に行っている人々。そして圧政に苦しむ民。
アメリカ政治のみならず、韓国や中国、もちろん日本の政治にも関係するような内容で、笑うに笑えず、苦笑いをし続ける2時間でした。

 

この作品、さまざまな部門でアカデミー賞にノミネートされていますが、特に助演女優賞エマ・ストーンレイチェル・ワイズと二人ともノミネートされていて、どちらが取るのか非常に楽しみです。

 

僕はレイチェル・ワイズのカッコいい女性像に引き込まれてしまったので、ぜひとも助演女優賞取ってほしいなと思っております。前回取った時のナイロビの蜂はこれから観てみたいです。

 

Twitterでも呟いたのですが、ぼくは前々からカッコいい女性というのが好きで、ふと最近これはココ・シャネルが最初なんだなと思い出しました。

 

中学の頃か、高校生の頃なのかは定かではありませんが、ココ・シャネルにはまった時期があり、そのころからカッコいい女性への憧れがあったように思います。


しかし、一方でそのくらいの時期、特に高校生以降は部活が体育会系だったこともあってか、男らしい男を自分自身目指すようになりました。


そこらへんは読んでいた漫画なんかからも影響を受けていたように思います。
特にジャンプの全盛期というのはヒーローといえば男であり、女性はサポートや母性の象徴としてのみ、いたように思います。

 

そしておそらく、僕がフェミニンな考え方に触れたのはエマ・ワトソンのUNでのスピーチだったと思います。たしか大学生のころ。大学のころは体育会系の部活の中でリーダー系の役職に多くついていたので、それこそ今の自分では想像できないくらい、男らしい像を演じていたように思います。


なので、大学時代の友人、特にあまり僕と近くなかった友人に会うと昔の自分を演じなくてはいけない気になってしまいかなり疲れます。最近はましになりましたが。

 

 

そのころから比べると時代はかなり変わってきた、もしくは変わりつつあるような気がします。

 

特に外国では。。

 

ハリウッドではそういう影響もあり、今までないがしろにされてきた側の人々にスポットライトを当てた映画が多くあるような気がします。

 

一つはトランプがいる時代という意味もありますが、そうした抑圧によって生まれる芸術というものはかなり多くあるので、何事も、良い、悪い、と二元化できるものではないなと思います。

 

そうした流れに乗れる人、乗らない人、遠くから見てる人、抗う人。

 

これも、どれが良い悪いという話ではないのですが、棹をさせば流されるもので、システマ的に言えば、流れに乗りたいところ。

 

と思いつつ、7部に出てくるリンゴォ・ロードアゲインの言う「男の世界」に共感してしまう自分もいるわけで、ここら辺は難しい。

 

光り輝く道。デイライトといえばアメフトのランニングバックであればだれもが見ていたものなのでなんだかんだそこへの名残もあるような気がします。。

 

とはいえ、この「男の世界」とフェミニンな流れは、実は相反するものではないと思います。

 

フェミニン映画。という括りが正しいのかはわかりませんが、あえてそういう括りをすると、女王陛下のお気に入りサスペリア、天才作家の妻、アリー、シュガーラッシュ、と上げきれないくらいあるわけです。この半年の中だけで。

 

ただ、こういう時代の流れに男はどうやって乗っていけばいいのか。それがあまり描かれてはいないような気がします。

 

なので、僕くらいの男性主義社会を見せられ続けてきて、社会に出てみればそんな時代は崩壊しつつあるという世代の男性陣は、結構悩んでんじゃあないかなと思ったりします。

 

男性主義社会を作ってきた爺さんたちは逃げ切っちまえばいいから楽だよなと思いつつ、今になって、ハリウッドなどでは、MeToo運動が起こったりと、過去の罪を償わなくてはならないようで、爺さんたちも大変だなと思うわけです。

 

まあ自業自得といえば、それまでですが、時代の価値観に縛られてきた人々、シェイプオブウォーターのストリックランドなんかは時代の被害者の一人として描かれてました。加害者が実は被害者だったみたいなのはよくある話で、だからこそ自分のこと(傷とか)をよく知らないといつの間にか加害者になってたりするので危ないわけです。Know Yourself。コントロールが大事なわけです。

 

歩けよ乙女、悩めよ男。

 

誰もが自由に生きていい時代なはずので、僕ももうちょっと自由に生きたいなと思います。

 

かっこいい女性のファッションをまねるとかしたいですね。女装ではなく。これはノエル(オアシス)がなんかのインタビューで女性の靴のほうがオシャレだから、女性ものの靴はいてるって言ってたのをマネしようって作戦です。もちろんサイズなどの問題もあるので色々解決策を探す必要はありそうですが、コーチ(クロエ・モレッツ、マイケル・B・ジョーダン)とかはそういうファッションも取り入れてそうなので、最近はSNSで色々研究中です。ルビー・ローズ姐さんなんか、男よりカッコよくて、キレイで自由でオシャレ。かくありたいものです。ゼンダヤのスーツ姿とかもとてもカッコよかった。

 

明日のアカデミーの参加者のファッションも楽しみです。